人間は社会の中で「笑い」を通じて複雑に感情を表現しながら生活してきました。 また、演劇の中などで「笑い」は、古くから人々の楽しみの重要な要素になっていました。笑いの意味は、ベルグソンなどにより思弁的に解釈されましたが、それを科学的に考え、実際の生活に生かそうとした人は最近までほとんどいませんでした。ところが、20世紀末になって、「笑い」が社会生活を健康に送るために重要な役割を持っているのではないかという科学的な指摘が行われるようになり、次第に関心が高まってきました。
高齢社会においては健康の問題は社会全体にとっての大きな課題です。健康を維持し美しく老い天寿を全うするのに、もし笑いが役立つとしたら素晴らしいことです。
しかし、「笑い」の健康にたいする効果は、まだ十分に科学的な根拠が確立されておらず、また体系的にも整理されておりません。それは、医学、生理学、心理学、笑い学等、広汎かつ異質な研究領域に関わっていることも大きな原因であると思われます。しかし、そのような困難があるとしても、現代社会のなかで笑いの健康にもつ意味を科学的に解明することが必要だと私たちは考えます。
そこで、医学を初めとする様々な学問分野や笑いを専門とする人たち、また、笑いに関心のある人たちが集まって「笑いと健康学会」を設立し、笑いと健康の問題を多方面から科学的・実証的に考えてみることになりました。この問題に少しでも興味や関心のある方に参加していただき、多くの人たちの英知をかりて、国民生活に役立ちたいと願っています。皆様の積極的な参加をお待ちしております。是非ご参加下さい。

笑いと健康学会 会長 澤田隆治